時計を見る。
・・20時40分。
高尾駅まではあと5分くらいか。
ワイパーのスイッチを入れる。
フロントウィンドウにドット絵を描いていた雨粒が消え去り、ぼやけていた視界がクリアになる。
少し前から降り出した雨が気がかりだ。
かなり急な下り坂。
スピードがぐんぐん上がる。
加速度は一定。
ギヤを2速に落とす。
エンジン音と回転数が上がり速度が安定する。
大きな車を運転するのは久し振りだな。
とりあえず20分ほど運転して、感覚はある程度思い出してきたように感じる。
インド香のような不思議な香り。
サイケデリックな音楽。
この車に乗った人達はきっと、車内の妖しい雰囲気にテンションが高まることだろう。
こういう雰囲気は好きだ。
特に夜は。
このイベントに参加するのは今回が2回目だ。
前回は客として参加した。
とても感動的で、素敵なイベントだった。
今回はスタッフとして参加している。
素晴らしいイベントを作っているメンバーに混じって、一緒に何かを作り上げる喜び。
交代で送迎バスの運転手をしている僕にできることは小さいかもしれない。
でも、ひとりひとりの小さな力が集まれば、それはきっと大きな力になる。
その大きな力があれば、誰も考えつかないような大きな事でさえ成し遂げることができるのかもしれない。
その原動力のひとつを僕が担えることに喜びを感じている。
高尾駅が見えてきた。
雨はもう降っていない。
前回はいくつかの良い出会いがあった。
今回はどんな新しい人たちに出会えるのだろうか。
楽しみだな。
駅のロータリーに車を停め、周りを見渡す。
人はそれほど多くない。
車を降りて 「PLANET - ELECTRO SHOCK」 と書かれた紙を持ち、それらしき人を探す。
軽装な人やビジネスライクな人、ヒールを履いている女性とかは違うよな、と思いつつ・・
あ、いた。
それらしき女性が2名、駅入口の階段のところに座っている。
向こうも何となく気付いてるのだろうか。
停まっている車の方を見ているような・・。
「Planet のイベントに参加される方ですか?」 と声を掛ける。
「はい」 という明るい返事。
参加者と出会えたことに少しほっとする。
人との繋がりって、こういうところから生まれることもあるんだろうね。
今は知らない人同士でも、イベントが終わる頃には、これからも一緒に遊びに行けるような友達になっているかもしれない。
結果なんか分からないけどさ、こういうイベントで出会えた人たちというのは同じ趣味を持っているということなわけで・・、だからこういう繋がりは大事にしたいなって思う。
出発時間の21時までまだ少し時間があるので、先に車に乗っていてもらう。
次の到着電車を待つ。
21時ちょっと過ぎに到着の電車があるので、それも待つことにする。
結果的に、女性2名、男性2名の計4名をピックアップ。
時刻は21:10くらい。
さて、男女4名を乗せて弁慶村の会場へ向かって出発だ。
みんな出会ったばかりだというのに、なぜか既に打ち解けた雰囲気。
これから始まる楽しい時間が、みんなの気持ちを高めてくれているのだろう。
ワクワクする時間。
ちょっとした昂揚感。
会場に近付くにつれて道は暗く細くなる。
みんなのワクワク感は逆に大きくなる。
とても素敵な時間だなって思う。
会場付近の道は街灯もなく真っ暗で、車のヘッドライトだけが進むべき道を照らしてくれる。
車一台半分くらいの細く曲がりくねった道をさらに上へ上へと登っていく。
ひとりで来ていたら不安になるような真っ暗な道。
どこかで急に行き止まりになってしまうのではないかと思えるような細い道。
それでも先へ先へと進む。
ふと気付くと、暗闇の前方に明かるい光があることが分かる。
ドーンドーンという重低音も聞こえてくる。
みんなのテンションが一気に高まる。
今回はどんなドラマが待っているのだろうか。
どんな感動が待っているのだろうか。
イベントはまだまだ始まったばかりだ。
(了)
・
・
・
・・・って、いやーん。
これじゃ、レポートになってないじゃんね。
┐(´ー`)┌
まー、あれです。
いいんです。
今回撮影した写真はこちらで見ることができるので、それで雰囲気を感じて下さいませ。
Electro Shock 2nd Anniversary Fes. の写真たち
あとは動画。
これにて、レポート終了。
僕は途中までしかいれなかったので、それだけがとても心残り。
でも、このイベントに参加された方たちは、きっとみんな素晴らしい体験や経験ができたと信じています。
主催者の DJ Rinaneko、たくさんのスタッフや関係者たち、アーティストたち、そして会場で出会った全ての方々に感謝。
またみんなで楽しい時間を共有しましょう。
ありがとうございました。
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